思想および世相に関する諸々のコメント


by msaicc
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情報改竄 vs ブログ

ダニエル・デネット、リチャード・ドーキンス、デイヴィッド・チャーマーズ:

 AI、認知科学、神経科学、進化論…といった一連のコンテキストの流れの中でブログにおける情報改竄の可能性について論じてみたい。

 今、このようにブログという媒体にデータを打ち込んでいますが、このデータが改竄されないという保証はどこにもありません。そのことを”オーウェル流改竄”とダニエル・デネット氏は『解明される意識』という著書でやや詳しく述べています。つまり、頭脳における時間把握のメカニズムにおいてリベット氏の実験に基いて、諸々の時間遡及の現象について論じている箇所があります。このデネット氏の議論の展開の特色のひとつとして諸々の”思考実験”を組み立てて、そのコンテキストに基いて論理の諸帰結を導き出そうとしているのが特徴です。

 このデネット氏に対峙するのがチャーマーズという若い神経学者です。基本的にはデネット氏もチャーマーズ氏もほぼ同程度のレベルで脳科学、神経科学という比較的新しい分野での研究を展開しているのですが、デネット氏はドーキンス氏と同様に徹底した一元論者、すなわち、唯物論者の立場を主張するのに対して、チャーマーズ氏は日本の茂木健一郎氏と同様、二元論、すなわち”デカルト”の身心二元論の立場を提唱している点にあります。

 わたくし個人としては、少なくともAIの設計レベルにおいては”一元論”すなわち”唯物論”の立場に立っています。ただし、コンピュータに人工的に”意識”をインプリメントすることが実際に可能になったと仮定すると、人工的に”意識”を扱うことができるシステムが実際に運用される場合、既に唯物論を超越したコンピュータの動きあるいは働きが展開されるのではないか…という非一元論をある程度認めなければ説明がつかないのではないかと思っています。

 さて、人工精神が可能であるか否かは人工知能が可能であるのとはかなり違った要素を含んでいますが、少なくとも原理的には人工知能が可能であれば人工精神の創出も不可能ではないような気がします。しかし、人工精神の難しさは人工知能の難しさの数万倍から数十万倍、あるいは数百万倍ぐらいあるのではないでしょうか。

 しかし、本日ここで議論したいことは、人工精神の設計ではなく、既に蓄積されたブログの情報を何らかの組織、あるいは何らかの権力が勝手に改竄することが可能なジョージ・オーウェル流の改竄システムが実際には構築されるのではないか…という現実的な惧れなのです。

 実際、インターネットの運用におけるウィールスの猛威、あちこちで発覚しているネット利用の諸々の不正、その他およそ数え挙げれば限がない程多くのことが既に指摘されていますが、そのようなことを鑑みるにつけ、国家あるいは強力な権力による情報操作(=情報改竄)など朝飯前なのかもしれません。

 ぶっちゃけた話、自分で入れたブログのコピーは別の媒体に保存しておくしか改竄から守る手段はないのかも知れません。いずれ、巨大な”情報省”が”郵政省”にとって代わる日が来るのは目に見えていますから…

※ 当該ブログは名目として”哲学日記”と題していますが、議論の重要な項目のひとつとして、AI、神経科学、人工精神…といった分野があります。これは、これからの学問になりますが、特に数学(位相数学、超ひも理論、その他)、量子力学、そして脳科学、神経科学といったものが複雑に学際的に融合して展開されるジャンルでもあります。

※ 参考となる分野

■ 純粋数学: 位相数学、測度理論、意味論的空間トポロジー
■ 人工知能: 記号論、意味論、知識処理、知識ベース
■ 人工精神: 意識についての自然科学的アプローチの限界
■ その他:   記号処理、意味処理、知識処理、

※ いずれ時期が来ましたら、人工知能および人工精神(=ゾンビ、ジンボ)についての諸々の議論の詳細についてこのブログで展開するつもりです。
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by msaicc | 2005-09-17 01:18 | 神経科学